【2026年最新】オーストラリアのタックスリターン完全ガイド|税率・申告方法・年金払い戻し
- 2025年02月18日
- 留学ガイド
フルタイム、パートタイムに関わらず、オーストラリア滞在中に所得があった人は、タックスリターン(確定申告)を申告する義務があります。とはいえ、税に関する手続きは複雑そうですし、ましてや外国の法律となると、何をすればいいのか分かりにくいですよね。
2025-26年度(2025年7月1日〜2026年6月30日)分の申告受付は始まったばかりで、今がまさに旬な話題です。この記事では2026年最新の情報をもとに、オーストラリアのタックスリターンの申告のタイミングや、手続きに必要なもの、申告の方法、さらに帰国前に受け取れる年金の払い戻し(DASP)までまとめました。オーストラリアで働いていた人や、これから就労予定がある人はぜひチェックしてください。
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タックスリターン(確定申告)とは?
オーストラリアの「タックスリターン」は、日本の確定申告と同じで、その年の会計年度内の所得を申告する制度です。日本と同じく、基本給から天引きされていた所得税のなかから差額があった場合、その金額が返金されるのが一般的です。一方、申告内容によっては足りない額を支払う必要もあります。
タックスリターンの条件や税率は、オーストラリアの滞在方法が「ワーキングホリデービザ」「居住者」「非居住者」のどれに該当するかによって異なります。居住者・非居住者の区分けは、登録税理士に確認するか、国税局(Australian Taxation Office:ATO)ウェブサイト内の「Are you a resident?」という判定ツールからも確認できます。学生ビザの留学生でも、6ヵ月以上のコースを受講している人は居住者扱いになるので注意してください。それぞれの税率は法律が変わっている場合があるので、次章の最新情報とあわせてATOで確認しましょう。
手続きのタイミング
オーストラリアの会計年度は、7月1日から翌年の6月30日までになります。この期間の収入や支出をまとめた申告を、原則7月1日から10月31日までに、自分で(myGov経由で)提出します。
myGovアカウントの作成やATOとのリンクは、オーストラリアでの電話番号があるうちに済ませておくとスムーズです(帰国後の対処法はこちらで解説)。申告期間前に永久出国し、オーストラリアでの収入がない場合は、早期申請が可能です。
10月31日までに登録税理士に申告を依頼していれば、期限が翌年5月頃まで延長されます。英語での申告に不安がある方や、期限に間に合いそうにない方は早めに登録税理士へ相談しましょう。
あなたの税率は? ビザ・居住区分別の税率

| 課税対象所得の範囲 | 居住者(Resident)の税額 | ワーホリ(Working Holiday Maker)の税額 | 外国人居住者(Foreign Resident)の税額 |
|---|---|---|---|
| $0〜$18,200 | なし(非課税) | 1ドルごとに15c | 1ドルごとに30c |
| $18,201〜$45,000 | $18,200を超えた分に対して、1ドルごとに16c | 1ドルごとに15c | 1ドルごとに30c |
| $45,001〜$135,000 | $4,288+$45,000を超えた分に対して1ドルごとに30c | $6,750+$45,000を超えた分に対して1ドルごとに30c | 1ドルごとに30c |
| $135,001〜$190,000 | $31,288+$135,000を超えた分に対して1ドルごとに37c | $33,750+$135,000を超えた分に対して1ドルごとに37c | $40,500+$135,000を超えた分に対して1ドルごとに37c |
| $190,001以上 | $51,638+$190,000を超えた分に対して1ドルごとに45c | $54,100+$190,000を超えた分に対して1ドルごとに45c | $60,850+$190,000を超えた分に対して1ドルごとに45c |
| 上記に加えて、居住者には別途Medicare Levy(原則2%)がかかる場合があります。ワーホリ(417ビザ)はTax-free thresholdの適用がなく$0から課税される点に注意してください。金額は変更されることがあるため、最新情報はATO公式サイトでご確認ください。 | |||
なお、2026年7月1日(2026-27年度)からは居住者の16%の税率区分が15%へ引き下げられます。これは今回申告する2025-26年度分には適用されませんが、今後の給与明細の手取り額に反映される変更として覚えておきましょう。
手続きに必要なもの
申告に必要なものは、以下になります。
| 雇用主がSingle Touch Payrollで国税局に申告している場合はIncome Statement(損益計算書)、個人での申告の場合はPAYG Payment Summary(源泉徴収票) |
| myGov(オーストラリア政府が提供するオンラインポータル)アカウント |
| Tax File Number |
| 経費の領収書 |
| 銀行利息など申告が必要な収入に関する書類 |
| オーストラリアの銀行口座情報 |
| オーストラリアの電話番号 |
| 勤務先の名前とABN(事業者登録)ナンバー |
事前にmyGovに登録していた場合、雇用主が申告済のときは「New myGov inbox message」というメールが届きますので、受け取ったらmyGovにログインしてIncome Statementを確認します。雇用主が申告していない場合は雇用主から直接PAYG Payment Summaryを受け取ってください。
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myGovアカウントの作り方
myGovは、ATOをはじめとするオーストラリア政府サービスにまとめてアクセスできるオンラインポータルです。タックスリターンをオンラインで申告するには、まずmyGovアカウントの作成が必要です。
| ① | my.gov.auにアクセスし「Create account」を選ぶ |
| ② | 「Continue with email」を選び、規約に同意する |
| ③ | メールアドレスを入力し、届いた確認コードを入力する |
| ④ | 携帯電話番号を入力し、届いたSMSコードを入力する(任意だが登録推奨) |
| ⑤ | myGovユーザー名が発行され、アカウント作成完了 |
2026年時点では、政府発行のデジタルID「myID」アプリを使ってアカウントを作成する方法も用意されています。運転免許証やパスポートなどの本人確認書類とスマートフォンでの顔認証が必要ですが、一度設定すればログインやATOとのリンクがよりスムーズになります。ワーホリ・留学生の場合、オーストラリアの身分証(運転免許証等)を持っていないとmyIDの本人確認強度が上がりにくいことがあるため、まずは上記のメールアドレス方式で作成するのがシンプルでおすすめです。
myGovとATOをリンクする方法
myGovアカウントを作成したら、次にATO(国税局)のサービスをリンクします。ATOの不正利用対策強化(Counter Fraud Program)にともない、2026年にリンク方法がアップデートされているので、最新の手順を紹介します。
| ① | myGovにサインインする |
| ② | 「View and link services」を選ぶ |
| ③ | 「Australian Taxation Office」の横にある「Link」を選ぶ |
| ④ | 氏名・生年月日などの個人情報を入力・確認する |
| ⑤ | 本人確認の質問に回答する(TFN、銀行口座情報、過去の給与明細など) |
質問による本人確認がうまくいかない場合は、ATO(13 28 61)に電話をして24時間有効な「Linking Code(6桁)」を発行してもらい、その番号を入力してリンクする方法もあります。電話の際はTFN・生年月日・過去のタックスリターンに記載した住所・銀行口座情報を聞かれるので準備しておきましょう。
なお、日本帰国後など海外からリンクの本人確認をしたい場合は、国内窓口(13 28 61)にはかけられないため、海外専用の番号(+61 2 6216 3444、または+61 2 6216 1111)に電話しましょう(受付時間:月〜金 8:00〜18:00、AEST)。
タックスリターンの申告方法
タックスリターンの手続きは、登録税理士に依頼するほか、オンライン申請や書類作成サービスを利用する方法があります。
| 方法 | 費用目安 | こんな人に |
|---|---|---|
| 登録税理士に依頼 | $80〜150ほど | 専用のオンラインサービスから顧客情報を確認できるためIncome Statement・PAYG Payment Summary不要。英語が堪能でない人、帰国が迫っている人、申告期限を過ぎている人向け |
| オンライン申請(myGov) | 無料 | myGovアカウントのホーム画面のATOページから自分で手続き。詳しい手順は次の見出しで解説 |
| 書類作成サービス | 都度確認 | 申告期間中、ショッピングセンターなどにできる臨時ブースを利用したい人向け |
ワーキングホリデー滞在者がオンライン申請(myGov)で手続きする場合、上記の手順でmyGovとATOをリンク済みであれば、myGovアカウントのホーム画面のATOページ内に申告用のリンクが貼られているので、そこから手続きを行えます。あとは案内される項目を指示通りに入力し、最後に「Calculate」を押すと、還付額もしくは追徴額が表示されるので、確認して完了です。
申告が完了すると、2〜4週間で還付金が登録した銀行口座に振り込まれ、Notice of Assessmentという書類が届きます。追加徴収がある場合もNotice of Assessmentに書かれているので、しっかり確認しましょう。
帰国後・海外からでも申告できる?電話番号はどうする?
「帰国してしまったらタックスリターンはもう申請できないのでは」と思う方も多いですが、実際はmyGovとATOのリンクさえ済んでいれば、日本に帰国してからでもmyTax(オンライン申告)で問題なく手続きできます。申告期間(7月1日〜10月31日)中であればいつでも、日本の自宅から手続き可能です。
| 還付の受け取り | オーストラリアの銀行口座への振込のみ。出国前に口座を解約しないよう注意 |
| サインイン方法 | SMSコードのままだとAU電話番号が必要。出国前にデジタルID(myID)や秘密の質問と回答に変更しておくのがおすすめ |
| ATOとのリンクがまだの場合 | 本人確認の質問、または海外専用番号(+61 2 6216 3444/+61 2 6216 1111)へ電話してLinking Codeを取得 |
| それでも不安な場合 | 登録税理士に依頼すれば代理で申告可能。家族・友人に委任状(power of attorney)を渡して代理申告してもらう方法もある |
オーストラリアの電話番号は解約すべき?残すべき?
結論として、電話番号そのものを残しておく必要は必須ではありません。ポイントは「SMSコードなしでもmyGovにサインインできる状態」を出国前に作っておくことです。
- デジタルID(myID)を設定しておく:本人確認書類とスマホでの顔認証があれば、SMSなしでサインイン可能
- 秘密の質問と回答を設定しておく:myGovの設定画面から追加できる代替サインイン方法
- それらが難しい場合:信頼できる家族・友人のオーストラリアの電話番号を代わりに登録しておく
SIMを解約する前に、必ずmyGovの「サインイン設定(Sign in options)」を確認し、上記いずれかの代替手段を設定しておきましょう。国際ローミングでオーストラリアの番号のままSMSを受信する方法もありますが、費用がかかるため現実的ではないケースが多いです。
出国前に忘れずに!年金の払い戻し(DASP)

ワーキングホリデーや学生ビザで働いていた期間、雇用主は給与とは別に「Superannuation(スーパーアニュエーション、退職年金)」を積み立てています。2025年7月以降の積立率は給与の12%(最終的な引き上げ率)です。オーストラリアを完全に出国し、ビザが失効した後、この積立金は「DASP(Departing Australia Superannuation Payment)」という制度でオンライン請求し、受け取ることができます。ただし、ワーキングホリデービザ(417・462)保持者は一律65%、その他の一時滞在ビザは35〜45%の税金が源泉徴収されるため、全額が戻ってくるわけではない点に注意しましょう。なお、DASPはタックスリターンの課税所得には含めません。
DASPの詳しい税率・必要書類・申請手順はスーパーアニュエーション返金ガイド(DASP申請方法)で詳しく解説しています。
Medicare Levy(メディケア税)が免除される場合も
ワーキングホリデーメーカーなど一時滞在者は、オーストラリアの公的医療保険(Medicare)の給付対象外です。そのため、通常給与から天引きされているMedicare Levy(原則2%)について、免除を申請できる場合があります。
免除を受けるには、Services AustraliaからMedicare Entitlement Statement(MES)を取得し、タックスリターンの際にあわせて申請する必要があります。MESはmyGov経由、またはフォーム「MS015」に記入しパスポート・ビザ許可通知のコピーを添えて申請でき、発行までおよそ3週間かかります。日本国籍の方はオーストラリアと医療相互協定を結んでいないため、条件を満たせば免除対象になるケースが多くあります。
海外旅行保険・OSHCについて気になる方はこちらの記事もあわせてご確認ください。
自分で申告するのが不安な方へ|日本人タックスエージェント
「英語での申告に自信がない」「経費計上など細かい部分を任せたい」という方は、日本語対応の登録税理士(タックスエージェント)に依頼するのも一つの方法です。シドニーには複数の日本人会計事務所がありますが、代表的なところを2つご紹介します。
| Ezy Tax Solutions Japan | 登録税理士・公認会計士の日本人チームによる会計事務所。個人のタックスリターンからビジネス税務まで幅広く対応し、オンラインで完結。https://ezytaxsolutionsjapan.com.au/ |
| Amari Tax & Accounting(甘利会計事務所) | 個人・個人事業・法人の税務申告に対応するシドニーの会計事務所。面談での丁寧な相談に定評があり、遠方の方にはメール・電話でも対応。http://www.taxjp.com.au |
その他の日本人会計事務所はJAMS.TVのシドニー会計士一覧でも確認できます。依頼前に料金や対応内容を各事務所に直接ご確認ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 学生ビザでもタックスリターンは必要?
A. はい、所得があれば申告義務があります。
フルタイム・パートタイムに関わらず、オーストラリア滞在中に所得があった人は学生ビザでもタックスリターンの申告義務があります。6ヵ月以上のコースを受講している学生ビザ保持者は、税務上「居住者」として扱われるのが一般的です。
Q. 申告期限(10月31日)に間に合わなかったらどうなる?
A. 延滞税が発生する可能性がありますが、税理士登録で延長できます。
申告期限日までに登録税理士に申告を依頼していれば、翌年5月頃まで期限が延長されます。間に合わない場合は早めに登録税理士へ相談しましょう。
Q. ワーキングホリデーでも税金は戻ってきますか?
A. 場合によります。
ワーキングホリデーメーカーは税率が固定されているため、居住者のような還付は一般的に少なめですが、経費の申告や源泉徴収額によっては還付が発生することもあります。また、年金(DASP)はオーストラリア出国後にまとめて請求できます。
Q. 年金(スーパーアニュエーション)はどうやって受け取れますか?
A. 出国後にDASPを申請します。
オーストラリアを完全に出国し、ビザが失効した後、「DASP」という制度を使ってオンラインで請求できます。ワーキングホリデービザ(417・462)保持者は一律65%、その他の一時滞在ビザは35〜45%の税金が源泉徴収されます。詳しい税率・必要書類・申請手順はスーパーアニュエーション返金ガイドで解説しています。
Q. Medicare Levy(メディケア税)は払う必要がありますか?
A. 免除できる場合があります。
一時滞在者はメディケアの給付対象外のため、Medicare Levyが免除される場合があります。ただし免除を受けるには、Services AustraliaからMedicare Entitlement Statement(MES)を取得し、タックスリターンで申請する必要があります。
Q. 日本に帰国してからでもタックスリターンは申請できますか?
A. できます。myGovとATOがリンクされていれば日本からでも申告可能です。
myGovアカウントがATOとリンクされていれば、日本からmyTax(オンライン申告)でいつでも手続き可能です。還付を受け取るにはオーストラリアの銀行口座が必要なので、出国前に口座を解約しないよう注意してください。myGovへのサインイン方法をデジタルID(myID)や秘密の質問に設定しておくと、SMS認証コードが受け取れなくてもログインできて安心です。
Q. オーストラリアの電話番号は解約前に残しておくべきですか?
A. 番号自体を残す必要はありませんが、サインイン方法の見直しは必須です。
myGovの初期設定のままだと、サインイン時にオーストラリアの携帯電話番号宛にSMSでコードが送られる仕組みのため、電話番号を解約すると詰むことがあります。出国前に、myGovのサインイン方法をデジタルID(myID)や秘密の質問と回答に変更しておくのがおすすめです。それが難しい場合は、信頼できる家族・友人のオーストラリアの電話番号を代わりに登録しておく方法もあります。
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