【2026年最新】オーストラリアの最低賃金と時給相場|手取りまで解説
- 2026年07月08日
- 留学ガイド
「オーストラリアは時給が高い」とよく聞くけれど、実際に自分の口座にいくら振り込まれるのかは、行ってみないと分からない——ワーキングホリデーや留学を控えた方から、いちばん多くいただく質問です。求人サイトに並ぶ時給を見て安心していたら、税金とスーパーアニュエーションが引かれて想像と違った、というお声もよく耳にします。
オーストラリアの賃金制度は、日本の「最低賃金+会社ごとのルール」とはかなり構造が違います。全国一律の最低賃金の上に、職種ごとの「Award(アワード)」があり、さらに雇用形態や曜日・時間帯によって時給が変わります。この仕組みを知らないまま働くと、本来もらえるはずの金額を取りこぼしてしまいます。
この記事では、2026年7月1日から適用されている最新の最低賃金AU$26.44を出発点に、Awardの仕組み、3つの雇用形態の違い、週末・祝日の割増(ペナルティレート)、職種別の時給相場、税金とスーパーを引いた実際の手取り額、そしてビザ別の就労ルールまで、順を追って解説します。数字はすべて2026年8月時点の公式情報で確認したものです。
読み終えるころには、「オーストラリアで働くと自分の場合いくら残るか」がイメージできているはずです。ビザや学校選びと合わせて相談したくなったら、記事の最後からいつでも無料でご相談いただけます。
「渡航後どれくらい働けるか」もセットでご相談いただけます!
① オーストラリアの最低賃金は時給AU$26.44(2026年7月〜)
オーストラリアの最低賃金は州ごとではなく全国一律です。2026年7月1日以降に始まる給与期間から、全国最低賃金(National Minimum Wage)は時給AU$26.44、週給AU$1,004.90(週38時間換算)に引き上げられました。前年度のAU$24.95から約6%の引き上げです。
| 適用開始 | 時給 | 週給(38時間) |
|---|---|---|
| 2023年7月1日 | AU$23.23 | AU$882.80 |
| 2024年7月1日 | AU$24.10 | AU$915.90 |
| 2025年7月1日 | AU$24.95 | AU$948.00 |
| 2026年7月1日 | AU$26.44 | AU$1,004.90 |
| ※1AU$=113円(2026年8月時点)で換算すると、時給約2,990円・週給約11.4万円です。為替は変動するため、渡航前に必ず最新レートをご確認ください。 | ||
この金額を決めているのが、政府から独立した労使紛争の調整機関であるFair Work Commission(公正労働委員会)です。毎年3月から6月にかけて「Annual Wage Review(年次賃金審査)」を行い、物価の上昇率や企業の支払い能力、低賃金労働者の生活実態などを踏まえて改定額を決定し、7月1日から適用します。つまりオーストラリアでは毎年7月に時給が上がるのが当たり前で、年をまたいで滞在する方は自動的に恩恵を受けることになります。
賃金水準がこれだけ高い背景には、「フルタイムで働く人が貧困に陥らないようにするのは社会の責任」という価値観が根づいていることがあります。オーストラリアの最低賃金は先進国のなかでも常に上位で、労働時間の上限や休憩、休暇についても法律で細かく守られています。
📌 ここを押さえておきましょう
① 最低賃金は国籍やビザの種類に関係なく適用されます。ワーキングホリデーでも学生ビザでも、日本人だからといって低くていい理由はありません。
② AU$26.44はあくまで「下限中の下限」です。実際にはほとんどの仕事で、後述するAward(職種別の最低基準)によってこれより高い時給が定められています。
② 職種別のAward(アワード)の仕組み
オーストラリアで働くうえで、全国最低賃金と同じくらい——実務上はそれ以上に——重要なのがAward(モダンアワード)です。これは産業・職種ごとに定められた法的な最低労働基準で、飲食業、小売業、農業、清掃業、介護など、業種ごとに100を超えるAwardが存在します。
Awardには、職務内容と責任の重さに応じた「レベル(分類)」ごとの最低時給に加えて、残業代の割増率、土日祝日の割増率、深夜・早朝の手当、制服代や靴代の支給、休憩の取り方まで細かく書かれています。ほとんどの求人はこのAwardのどれかに当てはまるので、自分の職種のAwardを知っていれば、提示された時給が適正かどうかをその場で判断できます。
日本人留学生・ワーホリメーカーが実際に働くことの多い4つのAwardについて、2026年7月1日からのレベル1(未経験者が就く入門レベル)の時給を並べます。
| Award(対象の職種) | 基本時給 (フル/パート) |
カジュアル時給 | 主な仕事 |
|---|---|---|---|
| Hospitality Industry (General) Award MA000009 |
AU$26.44 | AU$33.05 | カフェ・レストラン・ホテル・バーのホール、キッチンハンド、ハウスキーピング |
| General Retail Industry Award MA000004 |
AU$27.81 | AU$34.76 | スーパー、アパレル、雑貨店、コンビニなどの販売スタッフ、レジ |
| Cleaning Services Award MA000022 |
AU$27.08 | AU$33.85 | オフィス・ホテル・商業施設の清掃 |
| Horticulture Award MA000028 |
AU$25.74(Lv1) AU$26.44(Lv2) |
AU$32.18(Lv1) AU$33.05(Lv2) |
ファームでの収穫・選果・梱包 |
| ※すべて2026年7月1日以降に始まる給与期間から適用される、成人(21歳以上)レベル1の金額です。経験や職務内容が上がるとレベルも上がり、時給も上がります。最新の正確な額は Fair Work Ombudsman の Pay Calculator でご確認ください。 | |||
表を見ると、小売のほうが飲食よりレベル1の時給が高いことが分かります。カフェで働くイメージが強いオーストラリアですが、時給だけで比べるならスーパーマーケットや小売店のほうが有利です。一方、飲食はシフトが夜や週末に寄りやすく、後述するペナルティレートで逆転することも多いため、「どのAwardか」と「どの時間帯に働くか」をセットで考える必要があります。
ファームのレベル1がAU$25.74と全国最低賃金を下回っているのは誤りではありません。これは入職直後の見習い期間に適用される導入レートで、2025年4月以降、レベル1にとどまれるのは最長3ヶ月までと定められています。3ヶ月を超えても時給が上がらない場合は、雇用主に確認すべきサインです。
💡 自分の適正時給を1分で調べる方法
Fair Work Ombudsman(公正労働オンブズマン)の公式サイトにある「Pay Calculator」に、職種・年齢・雇用形態・勤務日を入力すると、自分に適用される正確な時給が表示されます。面接で時給を提示されたら、その場でこれと照合するのが確実です。
③ 3つの雇用形態|フルタイム・パートタイム・カジュアル

オーストラリアの雇用形態は、フルタイム(Full-time)/パートタイム(Part-time)/カジュアル(Casual)の3つに大きく分かれます。日本の「正社員/契約社員/アルバイト」とは区切り方が違い、時給そのものが変わるのが最大の特徴です。まず全体像を1枚の表で押さえましょう。
| 項目 | フルタイム | パートタイム | カジュアル |
|---|---|---|---|
| 週の勤務時間 | 38時間(保証あり) | 38時間未満(保証あり) | 保証なし |
| 時給の上乗せ | なし | なし | +25% |
| 有給休暇 | ✓ 年20日 | ✓ 勤務時間に応じて按分 | ✗ |
| 病気休暇 | ✓ 年10日 | ✓ 按分 | ✗ |
| シフトの安定性 | ✓ 固定 | ✓ 固定または半固定 | ✗ 週ごとに変動 |
| 解雇予告 | ✓ 必要 | ✓ 必要 | ✗ 原則不要 |
| 1日の最低勤務時間 | — | 3時間(Awardによる) | 2〜3時間(Awardによる) |
| 留学生・ワーホリの実際 | △ 6ヶ月ルールで提示されにくい | ◎ 飲食店ではこれが多数 | ○ 短期・掛け持ち向き |
| ※最低勤務時間はAwardごとに異なります。飲食(Hospitality)は2時間、小売(Retail)は3時間が一般的です。 | |||
フルタイム(Full-time)
日本の正社員に最も近い働き方です。週38時間の勤務が保証され、収入が安定します。勤務曜日や時間帯は固定されているのが一般的で、年20日の有給休暇、年10日の病気・介護休暇、祝日の給与支給といった手厚い制度が適用されます。
ただし、ワーキングホリデービザには「同一雇用主のもとで原則6ヶ月まで」という制限があるため、1年のワーホリでフルタイムのポジションを提示されるケースはそう多くありません。学生ビザの方も就労時間の上限があるため、フルタイムは対象外です。渡航後に現地就職やビザの切り替えを目指す方が視野に入れる働き方だと考えてください。
パートタイム(Part-time)
勤務時間はフルタイムより短いものの、「週◯時間」という最低勤務時間が雇用契約で保証されている点がカジュアルとの決定的な違いです。シフトは固定か半固定で、来週いくら稼げるかが読めます。有給休暇や病気休暇も、勤務時間に応じて比例配分で付与されます。
1日あたりの最低勤務時間はAwardで定められており、小売では3時間が基準です。仮に2時間で帰されたとしても、3時間分の給与を請求できます。「呼び出されたのに30分で帰された」という事態を防ぐための仕組みです。
カジュアル(Casual)
雇用主が必要なときに勤務を依頼する、最も柔軟な形態です。シフトが週ごとに変わり、繁忙期は週40時間近く入る一方、閑散期は週10時間ということも起こります。有給休暇や病気休暇は付与されず、原則として予告なく雇用を終了できます。
その不安定さの対価として、基本時給に25%が上乗せ(カジュアルローディング)されます。これは「休暇がもらえない分を毎回の給料に前払いする」という考え方に基づく制度で、Awardで明確に義務づけられています。旅行しながら短期集中で稼ぎたい方、複数の職場を掛け持ちしたい方に向いた形態です。ただし実際に日本人留学生・ワーホリの方が就く飲食店の仕事は、パートタイム契約のほうが多数です。時給の上乗せはなくても、勤務時間が保証されて生活の見通しが立つことを優先する方が多いためです。この記事の以降の金額も、パートタイム勤務を基準に計算しています。
⚠ カジュアルからパートタイムへの転換を申し出られます
同じ職場で6ヶ月以上(小規模事業者は12ヶ月以上)継続して働き、実態として規則的なシフトを組まれている場合、カジュアル従業員は雇用主に対して常用雇用(パートタイム/フルタイム)への転換を申し出ることができます。
ただし転換すると時給の25%上乗せはなくなります。長期滞在で有給を取りたい方には有利ですが、1年で帰国する予定なら現状維持のほうが手取りは多くなります。自分の滞在計画に照らして選ぶのが正解です。
④ 土日・祝日は時給が跳ね上がる「ペナルティレート」

オーストラリアで働く最大の妙味が、このペナルティレート(Penalty Rates)です。土曜・日曜・祝日、そして早朝や深夜など「働きにくい時間帯」には、Awardによって時給の割増が義務づけられています。日本の深夜割増(25%)とは桁が違い、祝日は基本時給の2.5倍になることもあります。
飲食業と小売業のパートタイム従業員(レベル1)の場合、時給は次のように変わります。
| 働く曜日・時間帯 | 割増率 | 飲食 パートタイムLv1 (基本AU$26.44) |
小売 パートタイムLv1 (基本AU$27.81) |
|---|---|---|---|
| 平日 日中 | 100% | AU$26.44 | AU$27.81 |
| 平日 夕方以降 | 125% (小売のみ) |
別途 夜間手当が加算 | AU$34.76(18時以降) |
| 土曜日 | 125% | AU$33.05 | AU$34.76 |
| 日曜日 | 150% | AU$39.66 | AU$41.72 |
| 祝日(Public Holiday) | 225% | AU$59.49 | AU$62.57 |
| ※フルタイム・パートタイムの割増率です。カジュアル雇用の場合はローディング25%が上乗せされた割増率(土150%・日175%・祝250%)が適用され、飲食Lv1なら土AU$39.66・日AU$46.27・祝AU$66.10になります。飲食業の夜間・深夜手当は1時間あたりの定額加算方式で、上記とは計算方法が異なります。正確な額は必ずPay Calculatorでご確認ください。 | |||
日曜日にカフェで8時間働くと、平日と同じ8時間でもAU$106ほど多くなります。祝日なら1日でAU$475前後です。同じ労働時間でも、いつ働くかで年間の手取りは十数万円単位で変わります。
⚠ 週末シフトは、新人のうちはなかなか回ってきません
① 割増が大きいぶん週末は職場内でも人気のシフトです。日本人が働く飲食店には同じ立場の留学生・ワーホリの方が多く、皆が週末を希望します。入ったばかりの時期は平日中心になると考えておいてください。
② 狙い目はイースターやクリスマス前後の長期休暇シーズンです。この時期は休みを取りたい人が増えるため、週末や祝日のシフトが空きやすくなります。「その時期は入れます」と早めに伝えておくと声がかかりやすくなります。
③ まずは平日のシフトを確実にこなして信頼を積むことが、結果的に週末シフトへの近道です。急な欠員のカバーを引き受けると、優先して回してもらえるようになります。
④ 祝日は州ごとに異なります。ビクトリア州の競馬デー(Melbourne Cup Day)のように、その州だけの祝日もあります。
働きながら通える学校・時間割もあわせてご提案できます!
⑤ 職種別の時給相場と稼ぎやすさ
時給の高さだけで仕事を選ぶと、実際の手取りで損をすることがあります。求められる英語力、シフトの入りやすさ、通勤コストまで含めて考えるのが現実的です。日本人が実際に就いている主な仕事を、必要な英語力の目安とあわせて整理しました。
| 仕事の種類 | パートタイム時給の下限 | 英語力の目安 | 特徴とアドバイス |
|---|---|---|---|
| ジャパレス(日本食レストラン) | AU$26.44〜 | ほぼ不要 | 渡航直後の1軒目として最も入りやすい。ただし英語が伸びにくく、Award未満の違法な時給を提示する店も一部あるため要注意 |
| ローカルカフェ・レストラン | AU$26.44〜 | 中級以上 | 接客英語が必須。バリスタ経験を積むとレベル2〜3(AU$27.08〜27.97)に上がる。チップ文化は薄い |
| キッチンハンド | AU$26.44〜 | 初級〜 | 洗い場・仕込みが中心で英語のハードルが低い。ローカル店に入る足がかりになる |
| スーパー・小売販売 | AU$27.81〜 | 中級以上 | Awardの基本時給が飲食より高い。平日18時以降にも割増がつくため、夕方のシフトと相性が良い |
| 清掃(オフィス・ホテル) | AU$27.08〜 | 初級〜 | 早朝・深夜シフトが多く手当がつきやすい。体力勝負だが英語の負担は軽い |
| ファーム(収穫・選果) | AU$25.74〜 | 初級〜 | セカンドビザの88日をここで取得する人が多い。出来高払いでも時給保証あり(下記参照) |
| ※フルタイム・パートタイム契約でのAward上の最低ラインです。カジュアル契約ならこれに25%が上乗せされます。実際の求人はこれ以上の時給を提示することもあります。「相場」ではなく「これを下回ったら違法」という基準としてご覧ください。 | |||
ファームで働く際に必ず知っておきたいのがピースレート(Piece Rate/出来高払い)の扱いです。「1バケツいくら」という歩合制自体は合法ですが、2022年以降は出来高がどれだけ少なくても、その日の労働時間×最低時給を下回ってはならないと定められています。しかもこの保証は日ごとの計算で、週単位でならすことは認められていません。
⚠ ファームで「今日は収穫が少なかったから」と言われたら
パートタイムLv1(AU$25.74)で7.6時間働いた日は、出来高がいくらであってもAU$195.62以上を受け取る権利があります。カジュアル契約(AU$32.18)ならAU$244.57です。不足分は雇用主が補填しなければなりません。
また、収穫作業に慣れた人が最低時給を15%上回る収入を得られる水準にピースレートを設定することも義務づけられています。「頑張っても最低賃金にすら届かない」設定は、それ自体がAward違反です。
なお、渡航直後は日本語環境の仕事から始めて、生活が落ち着いてからローカルジョブに移るという二段構えが現実的です。ローカルの接客職に応募するなら、語学学校の中級(Intermediate)修了レベルが一つの目安になります。仕事の具体的な探し方はこちらの記事で詳しく解説しています。
⑥ 実際いくら稼げる?収入シミュレーション

ここまでの数字を組み合わせて、実際の年収と手取りを計算してみます。日本人の方が最も多く就いている飲食業のパートタイムLv1(時給AU$26.44/平日日中のみ)で、週の労働時間を変えた3パターンです。土日祝のシフトが入れば、ここからさらに上振れします。
| 週の労働時間 | 週の総支給 | 月の総支給 | 年の総支給 | ワーホリ税額 |
|---|---|---|---|---|
| 週20時間 (学生ビザの上限) |
AU$529 | 約AU$2,291 | 約AU$27,498 | 約AU$4,125 |
| 週30時間 | AU$793 | 約AU$3,437 | 約AU$41,246 | 約AU$6,187 |
| 週38時間 (フルタイム相当) |
AU$1,005 | 約AU$4,355 | 約AU$52,255 | 約AU$8,926 |
| ※52週勤務、登録雇用主のもとでTFNを提出したワーキングホリデーメーカーの税率(AU$45,000までは15%、超過分は30%)で計算した概算です。実際は仕事探しや旅行の期間があるため、これは上限に近い数字です。 | ||||
税金を引いた手取りは次のようになります。円換算は1AU$=113円です。
| 週の労働時間 | 年の手取り | 日本円換算 | 月あたり |
|---|---|---|---|
| 週20時間 | 約AU$23,373 | 約264万円 | 約AU$1,948 |
| 週30時間 | 約AU$35,059 | 約396万円 | 約AU$2,922 |
| 週38時間 | 約AU$43,328 | 約490万円 | 約AU$3,611 |
| ※スーパーアニュエーション(給与とは別に雇用主が積み立てる12%)は含みません。週38時間の場合、年間で約AU$6,271が別途積み立てられます。日曜に8時間入るごとに平日より約AU$106、祝日なら約AU$264多くなるため、週末シフトが取れれば上振れします。 | |||
ただし、この金額がそのまま貯金になるわけではありません。オーストラリアは物価も高く、特に家賃が家計を圧迫します。週38時間働いた場合の「生活費を引いた手残り」を、シドニーのシェアハウス(個室)を想定して試算してみます。
| 項目 | 週あたりの金額 |
|---|---|
| 手取り収入 | 約AU$833 |
| 家賃(シェアハウス個室) | −AU$350 |
| 食費(自炊中心) | −AU$150 |
| 交通費 | −AU$50 |
| 通信費 | −AU$15 |
| 手残り | 約AU$268(月 約AU$1,162/約13万円) |
| ※シドニー中心部から公共交通機関で30分程度の地域を想定した目安です。ブリスベンやアデレードなど家賃相場の低い都市では、手残りはさらに増えます。オーストラリアの物価事情はこちらの記事もあわせてご覧ください。 | |
平日日中だけで週38時間働いた場合、月13万円前後が手元に残る計算です。ここに週末や祝日のシフトが加われば、月2〜3万円は上積みできます。ただし、これは渡航直後から途切れなく仕事があった場合の数字です。実際には到着から仕事が決まるまで2〜4週間かかることが多く、その間の生活費は初期資金から出ていきます。渡航前に最低でも50万円程度の余裕を持っておくと安心です。
⑦ 給料から引かれるもの|税金とスーパーアニュエーション
オーストラリアでは、給与から自動的に所得税が源泉徴収されます(Pay As You Go/PAYG)。ワーキングホリデービザ(417)で働く人にはワーキングホリデーメーカー専用の税率が適用され、一般の居住者とは扱いが異なります。

TFN(タックスファイルナンバー)は最優先
TFNは、日本のマイナンバーに相当する納税者番号です。取得しないまま働くと、収入の45%が問答無用で源泉徴収されます。時給AU$26.44の仕事でも手取りは実質AU$15程度になってしまい、致命的です。
申請はATO(オーストラリア税務局)の公式サイトから無料でオンライン申請でき、通常28日以内にオーストラリアの住所へ郵送で届きます。渡航後、滞在先の住所が決まったらすぐに申請するのが鉄則です。申請中でも仕事を始めることはでき、雇用主にはTFN申請中である旨を伝えれば、通常28日間は正しい税率で処理してもらえます。詳しい手順はTFNの申請方法を解説した記事にまとめています。
TFNを提出したうえで、雇用主が「登録雇用主(Registered Employer)」であれば、次の税率が適用されます。
| 年間の課税所得 | ワーホリ(417)の税率 |
|---|---|
| AU$0 〜 AU$45,000 | 15% |
| AU$45,001 〜 AU$135,000 | 30% |
| AU$135,001 〜 AU$190,000 | 37% |
| AU$190,001 〜 | 45% |
| ※2026-27年度(2026年7月1日〜2027年6月30日)の税率です。ワーキングホリデーメーカーには非課税枠(tax-free threshold)が適用されず、1ドル目から15%が課税されます。TFNを提出していない場合は一律45%です。 | |
一方、学生ビザで6ヶ月以上滞在し、税務上の居住者(Australian resident for tax purposes)と判定された場合は、年間AU$18,200までが非課税になります。同じ収入でも、ビザによって手取りが変わるということです。判定はビザの種類だけでなく滞在実態にもよるため、詳しくはATOの居住性テストで確認してください。
📝 タックスリターン(確定申告)を忘れずに
① オーストラリアの会計年度は7月1日〜翌年6月30日です。申告期間は7月1日から10月31日まで。
② 源泉徴収は多めに引かれていることが多く、申告すると還付を受けられるケースが少なくありません。制服代や工具代、業務に必要な学習費用などは経費として申告できます。
③ 年度途中で帰国する場合も、出国前に「早期申告(early tax return)」ができます。帰国後にオンラインで手続きすることも可能です。
スーパーアニュエーションは帰国時に請求できる
スーパーアニュエーション(Superannuation、通称スーパー)はオーストラリアの強制退職年金制度です。雇用主は給与とは別に、対象となる収入の12%をあなたのスーパー口座へ積み立てる義務があります(2026-27年度の拠出率)。給与から引かれるのではなく、給与に上乗せして支払われるお金です。
2026年7月からは「Payday Super」という新制度が始まり、雇用主は給料日ごとに(原則7営業日以内に)スーパーを拠出しなければならなくなりました。以前のように四半期ごとのまとめ払いではないため、積み立てが行われているかを毎回の給与明細で確認できるようになったのは大きな変化です。
オーストラリアを永久に離れるときは、DASP(Departing Australia Superannuation Payment)として積立金を請求できます。ただしワーキングホリデービザで働いた期間がある人は、受け取り時に65%が課税されます。積立額AU$6,271なら手元に残るのは約AU$2,195です。
| 週の労働時間 | 年間の積立額(12%) | DASP受取後の目安(35%) |
|---|---|---|
| 週20時間 | 約AU$3,300 | 約AU$1,155 |
| 週30時間 | 約AU$4,950 | 約AU$1,732 |
| 週38時間 | 約AU$6,271 | 約AU$2,195 |
| ※ワーキングホリデービザ保有者のDASP税率65%で計算した概算です。一度でも417ビザを保有していた場合、その後別のビザで働いた期間分も含めて65%が適用されます。請求はビザ失効後、出国後にATOのオンラインシステムから行います。 | ||
⑧ ビザ別の就労ルール|ワーホリと学生ビザの違い

「いくら稼げるか」は、時給よりもむしろビザが何時間の就労を許しているかで決まります。ワーキングホリデービザと学生ビザでは、上限も制約もまったく違います。
| 項目 | ワーキングホリデー(417) | 学生ビザ(500) |
|---|---|---|
| 就労時間の上限 | 上限なし | コース開講中は2週で48時間まで/正式な休暇期間は上限なし |
| 同一雇用主で働ける期間 | 原則6ヶ月まで(ビザ条件8547) | 制限なし |
| 適用される税率 | ワーホリ税率(1ドル目から15%) | 税務上の居住者ならAU$18,200まで非課税 |
| 年齢要件(日本国籍) | 申請時18〜30歳 | 制限なし |
| 滞在期間 | 1年(条件を満たせば最長3年) | コース期間+α |
| ビザ申請料(2026-27年度) | 1年目 AU$840/2・3年目 各AU$1,000 | コース・申請区分により異なる |
| ※2026年7月1日以降に申請した場合の金額です。学生ビザの就労上限は複数の職場を合算して計算され、有給・無給を問わずカウントされます(コース必修の実習を除く)。 | ||
ワーキングホリデーの「同一雇用主6ヶ月ルール」は見落とされがちですが、実務上とても重要です。ただし2024年1月以降、例外が大きく広がりました。同じ雇用主でも勤務地が別で各拠点6ヶ月以内なら継続可能ですし、農業・観光・接客・医療・高齢者介護・障がい者支援・保育の分野は、全国どこでも6ヶ月を超えて働けます。日本人が就くことの多いカフェやホテルの仕事は、この例外に該当するケースが多くあります。
セカンド・サードビザを狙う場合は、それぞれ指定地域での「Specified Work」が必要です。セカンド(2年目)は88日、サード(3年目)は6ヶ月が条件で、ファームでの収穫作業がその代表格です。ビザ申請料は2026年7月1日から1年目AU$840、2・3年目は各AU$1,000に引き上げられ、3年間滞在すると申請料だけでAU$2,840かかる計算になります。
⚠ 学生ビザの48時間ルールは「2週間」で数えます
① 「週24時間」ではなく「任意の連続する14日間で48時間」です。1週目に30時間働いたら、2週目は18時間までしか働けません。
② 複数の職場を掛け持ちしている場合も合算されます。雇用主はお互いの勤務時間を把握していないため、自分で管理するしかありません。
③ 違反が発覚するとビザが取り消される可能性があり、その後の卒業生ビザ(485)や永住権申請にも影響します。「少しだけなら」が最も危険です。
ビザの条件と学校選びは、まとめてご相談いただくのが確実です!
⑨ 賃金トラブルを防ぐチェックリスト

制度が整っている国だからこそ、それを守らない雇用主も一定数存在します。特に語学力に不安のある留学生やワーホリメーカーは狙われやすい立場です。次の6点は、働き始める前と初回の給料日に必ず確認してください。
| ① 給与明細(Pay slip) | 給料日から1営業日以内の発行が法律上の義務です。時給、労働時間、総支給額、控除額、スーパーの拠出先と金額が記載されている必要があります。発行されない職場は、その時点で法令違反です |
| ② 提示された時給 | Pay Calculatorで確認したAward額を下回っていないか。「トライアル期間だから安い」は原則として認められません |
| ③ トライアルの扱い | 採用判断のための短時間(数時間程度)の無給トライアルは認められますが、通常業務をこなす1日〜数日の無給勤務は違法です |
| ④ 現金払い(Cash job) | 現金払い自体は違法ではありませんが、記録が残らずAward未満の支払いやスーパー未払いの温床になります。給与明細が出ない現金払いは避けましょう |
| ⑤ スーパーの拠出 | 2026年7月からは給料日ごとの拠出が義務です。明細に記載がない、口座に反映されていない場合はATOに確認できます |
| ⑥ 記録を自分で残す | 働いた日・時間・休憩をスマホのメモやアプリで毎回記録しておく。争いになったとき、これが最も強い証拠になります |
問題があった場合の相談先はFair Work Ombudsman(公正労働オンブズマン)です。無料で相談でき、通訳サービスを通じて日本語での相談も可能です。匿名での情報提供も受け付けています。
「自分はビザの条件を破ってしまったから相談できない」と考えて泣き寝入りする方がいますが、それは必要のない我慢です。オーストラリアには、賃金未払いなどを申告した移民労働者のビザが直ちに不利に扱われないようにする保護の仕組みがあります。ビザ違反の有無と、働いた分の賃金を受け取る権利は別の問題です。
よくある質問(FAQ)
Q. オーストラリアの最低賃金は日本円でいくらですか?
A. 2026年8月時点で時給約2,990円です。
全国最低賃金は時給AU$26.44で、1AU$=113円で換算すると約2,990円になります。飲食店のパートタイム勤務ならこれが最低ラインで、土曜は1.25倍、日曜は1.5倍、祝日は2.25倍に上がります。ただし家賃や食費も日本より高いため、額面だけでなく生活費を引いた手残りで比較することをおすすめします。
Q. ワーキングホリデーで1年間にいくら稼げますか?
A. 週38時間働いた場合、税引前でおよそAU$52,000(約590万円)です。
飲食店パートタイムの最低時給AU$26.44を平日日中のみで計算した金額で、ここからワーキングホリデー税率で約AU$8,900が引かれ、手取りはおよそAU$43,000(約490万円)になります。土日や祝日のシフトが入ればここから上振れしますが、実際には仕事探しの期間や旅行の期間もあるため、目安として考えてください。
Q. カジュアルとパートタイムはどちらが得ですか?
A. 生活を安定させたいならパートタイム、短期集中で稼ぎたいならカジュアルです。
カジュアルは時給が25%高い代わりに有給休暇も病気休暇もなく、シフトも保証されません。実際には、日本人留学生・ワーホリの方が就く飲食店の仕事はパートタイム契約が多数を占めます。勤務時間が契約で保証され、収入の見通しが立つためです。
Q. 学生ビザでも週38時間働けますか?
A. いいえ、コース開講中は2週間で48時間までです。
1週あたりに直すと平均24時間で、学校の正式な休暇期間中は上限なく働けます。この上限は複数の職場を掛け持ちしても合算されるため注意してください。違反すると学生ビザが取り消される可能性があります。
Q. タックスファイルナンバー(TFN)がないと働けませんか?
A. 働くことはできますが、給与から45%が源泉徴収されてしまいます。
TFNはオーストラリア税務局(ATO)のサイトから無料でオンライン申請でき、通常28日以内に郵送で届きます。到着後すぐに申請しておくのが安全です。
Q. 給料が最低賃金より低い気がします。どうすればいいですか?
A. まずFair Work OmbudsmanのPay Calculatorで適正額を確認してください。
給与明細(Pay slip)は給料日から1営業日以内に発行することが法律で義務づけられているため、受け取っていない時点で問題があります。ビザの就労条件を破っていた場合でも職場での権利は守られる仕組みがあるので、泣き寝入りする必要はありません。
Q. 帰国するときスーパーアニュエーション(年金)は返ってきますか?
A. 返ってきますが、ワーキングホリデービザで働いた場合は65%が税金として引かれます。
雇用主は給与とは別に12%をスーパー口座へ積み立てる義務があり、出国後にDASPとして請求できます。手元に残るのは積立額のおよそ35%になるため、過度に期待しない方が無難です。
まとめ
オーストラリアの最低賃金は2026年7月から時給AU$26.44(約2,990円)になりました。飲食店のパートタイム勤務ならこれが出発点で、土日祝にはさらに割増がつきます。ただし本当に大事なのは、この数字そのものではなく「Award」「雇用形態」「ペナルティレート」「ビザの就労上限」「税率」の5つが掛け合わさって手取りが決まるという構造を理解しておくことです。同じ時給でも、いつ・どのビザで・どんな契約で働くかによって、年間の手取りは100万円単位で変わります。
1年でしっかり資金を貯めたいワーキングホリデーの方は、まず勤務時間が保証されるパートタイム契約を確保し、そのうえで週末のシフトを少しずつ増やしていくのが現実的です。語学学校に通いながら働く学生ビザの方は、2週48時間という上限のなかで割増のつく時間帯を選ぶことが、限られた枠を最大化する近道になります。どちらの場合も、TFNの取得と給与明細の確認だけは渡航直後に済ませておいてください。
「自分の滞在プランだといくら稼げるのか」「その学校に通いながら働けるのか」は、コースの時間割やビザの条件と合わせて考えないと答えが出ません。アイエス留学では、収入の見込みも含めた現実的なプランづくりを無料でお手伝いしています。まだ何も決まっていない段階でかまいませんので、お気軽にご相談ください。
アイエス留学のサポート
時給や制度の情報はインターネットでも調べられますが、「自分の場合はどうなるのか」は一人ひとり違います。同じワーキングホリデーでも、都市の選び方、学校に通う期間、狙う職種によって、1年後の資金の残り方はまったく変わってきます。
アイエス留学は、30年以上・30,000人以上の留学生をサポートしてきました。2025年7月からは、オーストラリア政府登録の日本人移民代理人(MARN)による日本語でのビザ相談も始めています。これまで培った経験と専門知識を活かし、失敗しない学校・コース選びから、戦略的なビザ申請まで一人ひとりに合わせたサポートをご提供します。
- プロによる専門サポート: ビザの就労条件と学校の時間割を照らし合わせ、無理なく働けるスケジュールをご提案します。
- 確かなプランニング: 学費・生活費・渡航費と現地収入の見込みを並べ、必要な初期資金を具体的な数字で組み立てます。
- オーダーメイドのアドバイス: 仕事の見つけやすさは都市によって大きく違います。ご希望の職種にあわせて渡航先からご相談いただけます。

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「まだ何も決まっていない」「どの学校が合うか分からない」という段階でも大丈夫です。お気軽にご連絡ください。
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