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オーストラリアのNG行為18選|州別罰金と誤解の多いマナー

シドニーの公園で掲示板を確認する留学生。オーストラリアのNG行為と罰金を知って安心して過ごす様子

「公園でビールを飲んでいたら警察に声をかけられた」「バス停でタバコを吸ったら罰金の紙を渡された」――どちらも、オーストラリアに来たばかりの留学生・ワーキングホリデーの方に実際に起こりうることです。日本では当たり前の行動が、オーストラリアでは法律違反になり、数百ドルの反則金につながることがあります。

やっかいなのは、オーストラリアは州ごとに法律が違い、さらに市や町の条例でルールが変わることです。同じ「公園での飲酒」でも、ある州では罰金、別の都市では没収だけ、また別の都市では公園ならOK、というように扱いがまったく異なります。ネット上には「オーストラリアでは外でお酒を飲むと罰金」「親指を立てるのは失礼」といった、一部だけ正しい情報や誤った情報も多く出回っています。

この記事では、日本の感覚でやってしまいがちなオーストラリアのNG行為18個を、①法律で罰せられること ②自然・動物 ③先住民の文化 ④日常のマナー ⑤仕事・学校の5つに分けて解説します。罰金は州政府・国立公園などの公式情報で2026年9月28日時点の金額を確認し、州別の一覧表にまとめました。よくある俗説も「実は誤解」として正します。

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オーストラリアのNG行為18選の一覧

まずは、この記事で取り上げる18個のNG行為を一覧で確認しましょう。「罰金」の欄は、公式情報で金額を確認できた州の例です。金額を確認できなかった州は載せていません。

No. NG行為 分類 罰金の例(確認できた州)
① 公園・ビーチ・路上での飲酒 法律・条例 QLD $172/WA $200
② 禁煙エリアでの喫煙・vape 法律 NSW $300/QLD $345
③ vapeを薬局以外で買う・通販で取り寄せる 法律 販売・輸入の規制
④ ポイ捨て(吸い殻・vapeを含む) 法律 NSW $160〜/QLD $345〜
⑤ 車の窓から火のついたタバコを捨てる 法律 NSW $660+減点5
⑥ 赤信号での横断・斜め横断 道路規則 QLD $69
⑦ 公共交通でのタップ忘れ・無賃乗車 法律 NSW $200
⑧ ハザードランプで「ありがとう」 道路規則 QLD $69
⑨ ディンゴなど危険な野生動物への餌やり 法律 QLD $2,763(K’gariのディンゴ)
⑩ 潮干狩り感覚で貝やカニを採る 法律 NSW 保護区で採取禁止
⑪ 赤と黄色の旗の外で泳ぐ 安全 —
⑫ ウルルに登る 法律 連邦法違反(金額は非公表)
⑬ 聖地や人を無断で撮影する 国立公園のルール —
⑭ 裏ピース マナー —
⑮ shout(順番のおごり)を返さない マナー —
⑯ ビザの就労条件を超えて働く ビザ条件 ビザに影響
⑰ 採用の場で年齢・性別を聞く・書く 差別禁止法 —
⑱ 応募段階でTFNを渡す・無給トライアル 自衛 —
※2026年9月28日時点。QLD=クイーンズランド州、NSW=ニューサウスウェールズ州、WA=西オーストラリア州。罰金は改定されることがあります。

なぜ日本人がやりがちなのか|州で法律が違う

オーストラリアは連邦制の国で、飲酒・喫煙・ゴミ・道路のルールの多くは州の法律で決まっています。さらに、公園やビーチでの飲酒などは市や町(カウンシル)の条例で細かく決められていることも多く、同じ行動でも住む場所によって扱いが変わります。「シドニーでは大丈夫だったから、ブリスベンでも大丈夫」とは限りません。

罰金の多くは、その場で渡される反則金(penalty notice/infringement notice)です。払えば裁判にはなりませんが、金額は日本の感覚よりかなり高めです。クイーンズランド州の反則金は「ペナルティユニット」という単位で決まっていて、2026年7月1日からは1ユニット=$172.70です。この記事のQLDの金額は、この単価をもとに計算しています。

もうひとつの特徴は、罰金のないマナーの話と、罰金のある法律の話が混ざって語られがちなことです。この記事では、法律・条例で罰則があるものは州名と金額を明記し、マナーの話は罰則がないことをはっきり書き分けています。

📌 この記事の読み方

① 罰金額は、州政府・国立公園・法令などの公式情報で2026年9月28日時点に確認したものです。

② 公式情報で金額を確認できなかった州は、推測で書かずに一覧から外しています。

③ 罰金は毎年のように改定されます。実際に行動する前に、現地の標識と公式ページを確認してください。

法律で罰せられるNG行為(①〜⑧)

公園の掲示確認・喫煙エリア厳守・ゴミの分別・乗車タップを行う留学生。オーストラリアの罰金対象になるNG行為への対策

ここでは、日本では当たり前、あるいは見逃されがちなのに、オーストラリアでは法律違反として反則金の対象になる行動を8つ取り上げます。

① 公園・ビーチ・路上での飲酒

QLD 道路や自治体が管理する公園・ビーチなどでの飲酒は原則禁止。反則金 $172(許可のある場所・指定エリアを除く)
WA 路上・公園・ビーチでの飲酒は違反。反則金 $200(最高$2,000)
NSW(シドニー市) 飲酒禁止エリアでは警察がお酒を没収できる。罰金はなし
VIC(メルボルン市) CBDの公共の場は24時間365日飲酒禁止。市の公園・庭園では50人以下のBYOは可

日本では花見や河川敷のバーベキューでお酒を飲むのは普通のことですが、オーストラリアでは州や都市によって扱いが大きく違います。旧版のこの記事では「公園やビーチなど屋外の公共の場での飲酒は禁止」と一律に書いていましたが、実際はそう単純ではありません。

もっとも厳しいのはクイーンズランド州です。州の酒類法(Liquor Act 1992)で、道路と、自治体が管理する土地(公園やビーチの多くが含まれます)での飲酒が原則として禁止されていて、反則金は$172です。ブリスベンやゴールドコーストで「ビーチで夕日を見ながら一杯」は、飲酒が認められた指定エリアでない限り違反になります。西オーストラリア州も、路上・公園・ビーチでの飲酒は$200の反則金です。

一方、シドニー市では、道路・歩道の「Alcohol-free zones」と、公園・広場の「Alcohol-prohibited areas」が標識で指定されていて、警察はその場でお酒を没収できますが、罰金はありません。メルボルン市はCBDの公共の場が一年中飲酒禁止ですが、市の公園や庭園では50人以下のグループがBYO(お酒の持ち込み)で節度をもって飲むことは認められています。大晦日やムーンバ・フェスティバルなど、イベントのときだけ追加の規制がかかる場所もあります。

留学生目線のひとこと:公園で飲む前に、入口や園内の「Alcohol Free」「Alcohol Prohibited」の標識を探す習慣をつけましょう。お酒を買うときや飲むときは、18歳以上であることを示す身分証(パスポートなど)の提示を求められます。

② 禁煙エリアでの喫煙・vape

NSW 公共の建物の出入口から4m以内は喫煙・vape禁止。反則金 $300
QLD パトロールのあるビーチ、公共交通の乗り場とその周囲5m、建物の入口から5m以内など。反則金 $345

日本では駅の外やコンビニの前に灰皿があり、屋外なら吸える場所が多いですが、オーストラリアは屋外の禁煙エリアがとても広い国です。NSW州では、駅・バス停・フェリー乗り場・タクシー乗り場、飲食店の屋外席、公共の建物の出入口から4m以内、遊具から10m以内、公共プール、スポーツ観戦エリアが禁煙です。出入口4m以内のルールに違反すると、個人には$300の反則金が科されることがあります。

クイーンズランド州はさらに細かく、赤と黄色の旗でパトロールされているビーチ(旗の間とその両端から海側50mの範囲)、バス停などの乗り場とその周囲5m、建物の入口から5m以内、屋外の飲食エリア、子どもの遊具の近くなどでの喫煙が禁止され、反則金は$345です。

見落としがちなのが、電子タバコ(vape)も同じルールの対象だということです。NSW州は禁煙の法律がvapeにも適用されると明記しており、QLD州も法律上の「喫煙」にvapeを吸うことを含めています。「煙が出ないから大丈夫」は通用しません。

③ vapeを薬局以外で買う・通販で取り寄せる

オーストラリアは、vape(電子タバコ)の販売と輸入を厳しく規制しています。オーストラリアの医薬品規制当局TGA(Therapeutic Goods Administration)によると、vapeは禁煙やニコチン依存の治療用として、参加している薬局でのみ販売できます。タバコ店・vapeショップ・コンビニがvapeを売ることは、ニコチンが入っているかどうかに関係なく違法です。

18歳以上であれば、ニコチン濃度20mg/mL以下のものは薬剤師の判断で処方箋なしで買える場合がありますが、それ以外は医師などの処方箋が必要です。海外のサイトから個人で取り寄せることは、処方箋があってもできません。

日本から持って行く場合は、本人(または同行する被介護者)の治療用として、vape本体2個、カートリッジなどのアクセサリー20個、リキッド200mLまでが旅行者の免除として認められています。個人が少量を持っていることは連邦の規制では罰せられませんが、州によっては処方箋のないニコチン入りvapeの所持自体を禁じています。空港での持ち込みルール全体は、【2026年最新】オーストラリアの持ち込み禁止品一覧|日本食・お土産の検疫ルールで詳しくまとめています。

⚠ 喫煙・vapeで注意したい3つのポイント

① 駅・バス停・建物の入口・ビーチなど、屋外でも禁煙エリアが広い(vapeも同じ扱い)。

② vapeを買えるのは薬局だけ。街の店で売っていても、それは違法な販売です。

③ 海外通販での取り寄せは不可。日本から持ち込めるのは本人の治療用の少量だけです。

④ ポイ捨て(吸い殻・vapeを含む)

NSW 小さなゴミ・火の消えた吸い殻 $160/その他のゴミ・車からのポイ捨て $500/火のついたタバコなど危険物 $1,000
QLD 通常のポイ捨て $345/危険なポイ捨て $690(vapeの投げ捨ては「危険なポイ捨て」扱い)
VIC(メルボルン市) 吸い殻を含むポイ捨ては警告なしで罰金の対象(ゼロ・トレランス)

日本でもポイ捨ては良くないこととされていますが、実際に罰金を取られることはあまりありません。オーストラリアでは、ポイ捨ては州の環境法で明確に反則金の対象です。NSW州では、吸い殻1本や小さな包み紙でも$160、車の窓からゴミを捨てると$500です。車の中からのポイ捨ては、ナンバーをもとに一般の人が通報できる仕組みもあります。

クイーンズランド州で特に注意したいのが、使い終わったvapeを捨てると「危険なポイ捨て(dangerous littering)」とみなされることです。州の廃棄物法にこの規定が加えられていて、反則金は通常のポイ捨ての2倍の$690になります。電池を内蔵したvapeは火災の原因にもなるため、専用の回収先に出しましょう。メルボルン市も、吸い殻を含めたポイ捨てには警告なしで罰金を科すと明言しています。

ゴミの分け方そのものについては、オーストラリアのゴミ分別ルールと節約リサイクル術で解説しています。

⑤ 車の窓から火のついたタバコを捨てる

NSW州では、運転者が車から火のついたタバコなど火事の原因になりうる物を捨てると、反則金$660と運転免許の減点5点の対象になります。州全体で火の使用が禁止される「Total Fire Ban(全面火気禁止)」の日は、反則金$1,320・減点10点と倍になります。

オーストラリアの夏は乾燥していて、道路脇の草から山火事(bushfire)が広がることがあります。日本の感覚で「外に灰を落とすだけ」「窓から吸い殻をはじくだけ」のつもりでも、重い違反として扱われます。レンタカーで旅行する方、現地で車を買う方は特に注意してください。

⑥ 赤信号での横断・横断歩道の近くでの斜め横断

日本でも信号無視は違反ですが、実際に歩行者が取り締まられることはほとんどありません。オーストラリアでは、歩行者の信号無視や、横断歩道の近くでの道路横断(jaywalking)は道路規則の違反として取り締まりの対象です。

クイーンズランド州の公式ページでは、赤の歩行者信号や点滅している赤信号では渡り始めてはいけないこと、横断歩道から20m以内にいるときは横断歩道を使うこと、近くに横断歩道がなければ最短で安全なルートで渡ることが説明されています。QLD州でこれらに違反したときの反則金は$69です。

NSW州の公式ページでも、jaywalkingは歩行者の違反(pedestrian offences)の例として挙げられています。都市部では警察がまとめて取り締まりを行うこともあるため、信号が赤なら車が来なくても待つのが基本です。

⑦ 公共交通でのタップ忘れ・無賃乗車

日本の駅は改札を通らないとホームに入れませんが、オーストラリアのバスやトラム、一部の駅には改札がなく、自分でカードリーダーにタッチ(tap on)する仕組みです。「改札がないから、タップしなくても乗れてしまった」は、れっきとした無賃乗車になります。

NSW州では、有効な乗車券を示せない場合や、割引(コンセッション)の対象でないのに割引運賃で乗った場合に、$200(最高$550)の罰金が科されることがあります。州内では800人を超える検札員と警察が乗車券を確認していて、Opalカードやタッチ決済のカード・スマホをその場でスキャンして確認できます。罰金を期限までに払わないと、大人は$65の延滞料が上乗せされます。

留学生目線のひとこと:「学生だから学割が使えるはず」という日本の感覚は危険です。留学生は割引(コンセッション)の対象外になることがあるので、割引運賃を使う前に必ず自分が対象か確認しましょう。

⑧ ハザードランプで「ありがとう」

日本では、道を譲ってもらったときにハザードランプを2〜3回点滅させて「ありがとう」を伝えるのが一般的です。しかしオーストラリアでは、ハザードランプを使ってよい場面は道路規則で決められていて、お礼の合図としての使い方はありません。周りのドライバーに「何かトラブルが起きた」と受け取られ、驚かせてしまうおそれがあります。

NSW州は、駐停車禁止の場所でハザードを点けて待つなど、不必要なハザードランプの使用を違反の例として挙げています。クイーンズランド州でもハザードランプに関する規則に違反した場合の反則金は$69です。お礼の気持ちでハザードを点ける習慣は、日本に置いていきましょう。

そのほかの交通ルール(制限速度・飲酒運転・駐車標識など)は、【2026年最新】オーストラリアの交通ルール|制限速度・飲酒運転・駐車標識で詳しく解説しています。

自然・動物に関するNG行為(⑨〜⑪)

食料を管理し野生動物に近づかず旗の間で泳ぐ留学生。オーストラリアの自然・動物のNG行為を避けるポイント

オーストラリアの自然は、日本から来た人にとって魅力のひとつです。ただし、野生動物や海の生き物の保護ルールは日本よりずっと厳しく、「かわいいから」「日本ではできたから」という行動が高額な罰金につながります。

⑨ ディンゴなど危険な野生動物への餌やり

行為(QLD) 反則金/最高額
K’gari(旧フレーザー島)でディンゴに餌をやる $2,763/最高$28,495
イリエワニに餌をやる $2,763/最高$28,495
その他の危険・有毒な野生動物に餌をやる $690/最高$6,908
K’gariで食べ物をディンゴが取れる状態で置く $518

日本では奈良公園の鹿せんべいのように、動物に餌をあげられる観光地があります。しかしクイーンズランド州では、危険な野生動物や人を傷つけるおそれのある野生動物に餌をやることが法律で禁止されています。特に厳しいのが、世界遺産の島K’gari(旧フレーザー島)のディンゴ(wongari)とイリエワニで、反則金は$2,763、裁判になった場合の最高額は$28,495です。

K’gariでは、餌を与えるつもりがなくても、食べ物や魚の内臓を放置してディンゴが取れる状態にしておくだけで$518の反則金の対象になります。人から食べ物をもらうことに慣れたディンゴは人を恐れなくなり、襲う事故につながるからです。キャンプやツアーで訪れる方は、食べ物を車の中や鍵つきの箱に保管しましょう。

⑩ 潮干狩り感覚で貝やカニを採る

日本人がもっともやってしまいがちなのが、磯遊びや潮干狩りの感覚で貝やカニを採ることです。NSW州では、シドニー周辺の岩場の一部が「Intertidal Protected Areas(潮間帯保護区)」に指定されていて、満潮線から干潮線の沖10mまでの範囲で、カニ・巻貝・ウニ・タコ・pipi(ピピ貝)・cockle(ザルガイ)・ムール貝・牡蠣などを採ることが厳しく禁止されています。

2026年9月時点の保護区は、Bungan、Mona Vale、Dee Why Head、Shelley Beach、Cabbage Tree Point、Bondi、Long Bay、Inscription Pointの8か所です。釣りはできますが、餌にするための採取もできません。ボンダイのような観光地も含まれているので注意が必要です。

もうひとつの落とし穴が、NSW州では手で貝を採るだけでも釣りのライセンス料(Recreational Fishing Fee)の支払いが必要なことです。淡水・海水を問わず、釣り・手での採取・餌の採取・仕掛けを使う漁など、釣り道具を持って水辺にいるだけでも支払いとレシートの携帯が法律で義務づけられています。料金は3日間$7、1か月$14、1年$35で、Service NSWのサイトなどから買えます。支払わずに釣りをすると反則金の対象になります。

⑪ 赤と黄色の旗の外で泳ぐ

これは罰金のある法律ではありませんが、命に関わるNG行為です。オーストラリアのビーチでは、ライフセーバーが監視している範囲が赤と黄色の旗で示されています。オーストラリア政府観光局も、この旗の間がもっとも安全な遊泳区域で、常にその中で泳ぐよう勧めています。

旗の外はライフセーバーの監視の範囲外です。日本の海水浴場の感覚で、人が少ないからと旗のない場所に入るのはやめましょう。また、日差しがとても強いため、SPF50+の日焼け止め・帽子・サングラス・長袖での対策も勧められています。なお前述のとおり、QLD州では旗の間のエリアは禁煙です。万一の事故のときの連絡先は、【2026年最新】オーストラリア緊急時の連絡先|000・領事館・紛失対応を確認しておきましょう。

先住民の文化に関するNG行為(⑫〜⑬)

ウルルの麓の遊歩道を歩き景色を撮影する留学生。オーストラリア先住民の文化を尊重するNG行為への配慮

オーストラリアには、数万年前から暮らしてきたアボリジナル・ピープルとトレス海峡諸島民の文化があります。大学の授業やイベントの冒頭で、その土地の伝統的な所有者に敬意を示す言葉が述べられるのを耳にすることも多いでしょう。

💡 「Welcome to Country」と「Acknowledgement of Country」の違い

① Welcome to Country:その土地の伝統的な所有者(Traditional Owners)だけが行う、訪れた人を土地に迎え入れる儀式です。

② Acknowledgement of Country:先住民かどうかに関係なく、誰でも述べられる、土地の所有者と管理者に敬意を示す言葉です。

③ 先住民に関する研究機関AIATSISのサイトには、故人の画像・声・名前を含む可能性がある旨の注意書きがあります。オーストラリアのテレビや博物館でも同じ注意書きをよく目にします。

⑫ ウルルに登る

かつては観光客が登ることもできたウルル(エアーズロック)ですが、2019年10月26日から登山は完全に禁止されています。ウルルは先住民アナング(Aṉangu)にとって何万年も前から神聖な場所で、アナングの法と文化(Tjukurpa)では、もともと登ることは基本的に認められていませんでした。

国立公園の公式サイトは、ウルルに登ることは連邦の環境保護・生物多様性保全法(EPBC Act)に違反し、登ろうとした人には罰則が科されると明記しています(金額は公式ページに記載がありません)。ウルル・カタジュタ国立公園では、ドローンなどの無線操縦機器の使用や、水場での遊泳も禁止されています。

ウルルへの行き方や見どころは、オーストラリアの世界遺産21ヶ所 完全ガイド|留学中に行けるおすすめ順・アクセス・費用で紹介しています。

⑬ 聖地や人を無断で撮影する

ウルル・カタジュタ国立公園には、文化的に重要な場所(culturally sensitive sites)があり、そこでの写真撮影は禁止されています。岩の細かな模様や特徴は、アナングにとって聖典に相当するもので、決められた人がその場所でだけ見るべき情報とされているからです。撮影禁止の場所は、園内の標識や地図で示されています。

国立公園は、アナングの人を撮影する前には必ず許可を取ること、聖地・儀式の場・墓地・住居に立ち入ったり撮影したりしないこと、指定された道から外れず岩に登らないことも求めています。SNSに載せたい気持ちはわかりますが、「撮ってよい場所か」を確認してからシャッターを押しましょう。

日常のマナーのNG(⑭〜⑮)

手のひらを見せてピースサインをし、パブで一杯おごる留学生。オーストラリアの誤解されやすいマナーの正しい理解

マナーの話には罰金はありません。ただ、知らないと人間関係で損をすることがあります。ここでは、信頼できる情報で裏付けが取れた2つだけを取り上げます。

⑭ 裏ピース

写真を撮るときのピースサインは、手のひらを相手に向けていれば問題ありません。注意したいのは、手の甲を相手に向ける「裏ピース」です。オーストラリアでは「the forks」とも呼ばれ、中指を立てるのと同じような、相手を侮辱・挑発するジェスチャーとして知られています。

若い世代ではあまり使われなくなっているとも言われますが、年配の方や知らない人の前では誤解を招きかねません。自撮りで手の向きが逆になるときは特に気をつけましょう。

⑮ shout(順番のおごり)を返さない

オーストラリアの友人や同僚とパブに行くと、「It’s my shout!」という言葉を耳にします。shoutは「自分がおごる番」のことで、グループで飲むときに一人ずつ順番に全員分の飲み物を買う習慣です。

おごってもらったら、次は自分の番として一杯おごり返すのが自然な流れです。日本の「割り勘」や「先輩がおごる」とは考え方が違うので、自分の番をスキップし続けると、気まずい空気になることがあります。お酒をあまり飲まない方や予算を抑えたい方は、最初に「今日は自分の分だけ買うね」と伝えておくと安心です。

ちなみに、レストランなどで見かける「BYO」は「Bring Your Own」の略で、お酒などを持ち込めるという意味です。

仕事・学校でのNG行為(⑯〜⑱)

就労時間をアプリで確認し面接で握手する留学生。オーストラリアの学生ビザ・ワーホリで守りたいポイント

留学生・ワーキングホリデーの方にとって、もっとも影響が大きいのが仕事に関するNGです。ビザの条件に違反すると、罰金ではなくビザそのものに影響する可能性があります。

⑯ ビザの就労条件を超えて働く

学生ビザ(subclass 500) 授業期間中は2週間で48時間まで。学期の休み期間中は制限なし
ワーキングホリデービザ(417・462) 働く時間の上限はないが、原則として同じ雇用主のもとで働けるのは6か月まで

学生ビザの就労時間は「1週間に24時間」ではなく「2週間で48時間」で数えます。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての勤務時間を合計して考える必要があります。

ワーキングホリデービザの「同じ雇用主で6か月まで」には例外があります。移民局によると、2024年1月1日から、ホスピタリティ・観光(カフェ・レストラン・ホテル・パブなど)、農業、食品加工、医療、介護、保育などの業種では、許可を取らずに6か月を超えて働けます。一方、小売業は例外に含まれていません。自分の職場が対象か不安な方は、移民局のページで確認するか、ご相談ください。

給料の相場や最低賃金については、【2026年最新】オーストラリアの最低賃金と時給相場|手取りまで解説で解説しています。

⑰ 採用の場で年齢・性別を聞く・書く

旧版のこの記事では「年齢や性別を聞くのはNG」と書いていました。日常会話でも、初対面で年齢や結婚の有無、宗教などを聞くのは避けるのが無難ですが、法律がはっきり関わるのは採用・職場の場面です。

オーストラリアの連邦の年齢差別禁止法(Age Discrimination Act 2004)と性差別禁止法(Sex Discrimination Act 1984)では、採用の判断に使うために、差別につながる情報を求めることが違法になり得ます。クイーンズランド州の人権委員会も、年金(スーパーアニュエーション)の手続きや本人確認など正当な理由がない限り、雇用主が年齢や生年月日を尋ねることは違法になり得ると説明しています。

そのため、オーストラリアの履歴書(レジュメ)には、年齢・生年月日・性別・顔写真を書かないのが一般的です。日本式の履歴書の感覚で書くと、かえって「この国のことを知らない人」という印象を与えてしまいます。

⑱ 応募段階でTFNを渡す・長い無給トライアルを受ける

最後は、自分の身を守るためのNGです。オーストラリアの税務署ATOは、納税者番号TFN(Tax File Number)は働き始めてから雇用主に伝えるもので、求人への応募時やインターネット上で伝えてはいけないと注意しています。求人詐欺でTFNやパスポートの情報を聞き出す手口があるためです。

また、「まずは無給でトライアル」と言われることもありますが、公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)によると、無給のトライアルが認められるのは、スキルを確認するのに必要な短い時間(1時間〜1シフト程度)で、直接の監督があり、スキルを見せる以上の作業をさせない場合に限られます。「最初の1週間は無給」のような条件は、働いた時間分の給料を支払う必要がある雇用とみなされます。

⚠ 仕事探しで気をつけたい3つのポイント

① 学生ビザは2週間48時間まで。掛け持ちの場合は合計時間で数える。

② TFNは働き始めてから伝える。応募段階で求められたら詐欺を疑う。

③ 長時間・何日も続く無給トライアルは違法になり得る。おかしいと思ったら断る。

実は誤解!よくある俗説4つ

「海外のNG行為」はネット上に俗説が多い分野です。ここでは、よく見かけるのに実際とは違う4つの説を、公式情報をもとに正します。

よくある俗説 実際は
親指を立てるサインは失礼 失礼ではない。「よくやった」「いいね」「OK」の意味で普通に使われる
チップを払わないと失礼 チップは任意。サービス料も加算されない。高級店で10%程度渡すことはある
外でお酒を飲むと全国どこでも罰金 州・都市で違う。QLD・WAは罰金、シドニー市は没収のみ、メルボルン市の公園はBYO可
vapeを持っているだけで逮捕される 連邦の規制は個人の少量所持を罰しない。ただし州によっては所持も禁止

親指を立てるサイン:「オーストラリアでは親指を立てるのは失礼」という説がありますが、実際には日常的に肯定の意味で使われています。オーストラリアの公共放送ABCの英語学習コンテンツでも、親指を立てるのは「good job(よくやった)」「well done(よくできた)」、または「OK」の意味だと説明されています。本当に気をつけるべきなのは、前述の手の甲を向けたピースサインです。

チップ:アメリカの感覚で「チップを払わないと失礼」と考える方もいますが、オーストラリア政府観光局は、ホテルやレストランは料金にサービス料を加えておらず、チップは常に任意だと案内しています。高級レストランで良いサービスを受けたときに10%程度渡すことはありますが、カフェやファストフードで払う必要はありません。また、お店で値切る習慣もありません。

外での飲酒:①で説明したとおり、州と都市によって扱いがまったく違います。「どこでも罰金」も「どこでも自由」も正しくありません。その場所の標識と、住む州のルールを確認するのが確実です。

vapeの所持:オーストラリアのvape規制は「販売」と「輸入」を厳しく制限するもので、TGAは個人が少量を持っていることは連邦の改革では罰しないと説明しています。ただし、州によっては処方箋のないニコチン入りvapeの所持自体を禁じているため、「持っていても絶対に大丈夫」とも言えません。

州別の罰金一覧表

この記事で取り上げたNG行為のうち、公式情報で罰金額を確認できたものを州別にまとめました。QLDの金額は2026年7月1日からのペナルティユニット(1ユニット$172.70)で計算した反則金です。

NG行為 州 反則金(最高額) 根拠・出典
飲酒・喫煙・vape
公共の場での飲酒 QLD $172 Liquor Act 1992 s173B
公共の場での飲酒 WA $200($2,000) 西オーストラリア州政府
飲酒禁止エリアでの飲酒 NSW(シドニー市) 罰金なし(没収) シドニー市
建物の出入口4m以内での喫煙・vape NSW $300 NSW Health
ビーチ・乗り場・入口付近などでの喫煙・vape QLD $345 Tobacco and Other Smoking Products Act 1998
ポイ捨て
小さなゴミ・火の消えた吸い殻 NSW $160($5,000) NSW EPA
その他のゴミ・車からのポイ捨て NSW $500($5,000) NSW EPA
火のついたタバコなど危険物 NSW $1,000($25,000) NSW EPA
通常のポイ捨て QLD $345 Waste Reduction and Recycling Act 2011 s103
危険なポイ捨て(vapeを含む) QLD $690 同上
道路・交通
車から火のついたタバコを捨てる NSW $660+減点5(全面火気禁止日は$1,320+減点10) NSW政府(Rural Fires Act 1997 s99A)
歩行者の信号無視・20m以内の横断 QLD $69 Road Rules Regulation 2009
ハザードランプの不適切な使用 QLD $69 同上
無賃乗車・対象外の割引運賃 NSW $200($550) Transport for NSW
自然・動物
K’gariのディンゴ・イリエワニへの餌やり QLD $2,763($28,495) Nature Conservation (Animals) Regulation 2020 s333
その他の危険な野生動物への餌やり QLD $690($6,908) 同上
K’gariで食べ物を放置する QLD $518 同上 s333A
※2026年9月28日時点で各州政府・法令の公式情報を確認。QLDの金額はペナルティユニット$172.70で計算(ドル未満切り捨て)。ウルル登山(連邦法違反)、NSWの釣りライセンス料の未払い、NSWの歩行者の違反は、公式ページに金額の記載がないため載せていません。罰金は改定されることがあります。

州によってルールが違うので、留学先の都市選びからご相談ください!

運転・検疫・電動キックボードのNGは別記事で

次の3つのテーマは、ルールが細かく罰金の種類も多いため、それぞれ専用の記事で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. オーストラリアでは公園やビーチでお酒を飲むと罰金ですか?
A. 州と自治体によって違います。
クイーンズランド州は道路や自治体が管理する公園・ビーチでの飲酒が原則禁止で反則金は$172、西オーストラリア州も路上・公園・ビーチでの飲酒は$200の反則金です。一方、シドニー市の飲酒禁止エリアは警察がお酒を没収できるものの罰金はなく、メルボルン市はCBDの公共の場が24時間飲酒禁止でも、市の公園・庭園では50人以下のBYOが認められています。現地の標識を必ず確認してください。

Q. 電子タバコ(vape)は日本から持って行けますか?
A. 本人の治療用として、vape本体2個・カートリッジなどのアクセサリー20個・リキッド200mLまでは旅行者の免除として持ち込めます。
ただしオーストラリアでvapeを販売できるのは参加している薬局だけで、コンビニやタバコ店での販売は違法、海外サイトからの個人輸入もできません。州によっては処方箋のないニコチン入りvapeの所持自体を禁じているため、使う予定がある方は渡航前に確認してください。

Q. 親指を立てるサインはオーストラリアでは失礼ですか?
A. いいえ、失礼ではありません。
オーストラリアの公共放送ABCの英語学習コンテンツでも、親指を立てるサインは「よくやった」「いいね」「OK」の意味だと説明されています。注意したいのは、手の甲を相手に向けたピースサインのほうで、こちらは中指を立てるのに近い侮辱のジェスチャーとして知られています。

Q. オーストラリアのレストランやカフェでチップは必要ですか?
A. 必須ではありません。
オーストラリア政府観光局は、ホテルやレストランは料金にサービス料を加えておらず、チップは常に任意だと案内しています。高級レストランで良いサービスを受けたときに10%程度を渡すことはありますが、払わなくても失礼にはあたりません。値切る習慣もありません。

Q. 学生ビザやワーホリビザで働ける時間に制限はありますか?
A. あります。
学生ビザは授業期間中は2週間で48時間まで、学期の休み期間中は制限なしです。ワーキングホリデービザは働く時間の上限はありませんが、原則として同じ雇用主のもとで働けるのは6か月までです。ホスピタリティや農業など例外になる業種があるため、移民局のページで自分の職場が対象かを確認してください。

Q. 罰金を払わずに帰国したらどうなりますか?
A. 放置すると延滞料が加算され、手続きが進んでいきます。
たとえばNSW州の公共交通の罰金は、期限までに払わないと大人は$65が上乗せされます。内容に納得できない場合は、期限内に審査(review)を申し立てることができます。帰国前に必ず支払うか、罰金通知に書かれた窓口に相談してください。

この記事の情報源

この記事は、2026年9月28日時点で各州政府・連邦政府機関・国立公園・法令が公表している情報にもとづいて作成しています。罰金額や規制は毎年のように改定されるため、実際に行動される際は必ず公式ページと現地の標識で最新の内容をご確認ください。


まとめ

オーストラリアのNG行為の多くは、「日本では普通のこと」がそのまま違反になるものです。公園での飲酒、駅やバス停での喫煙・vape、吸い殻のポイ捨て、改札がない乗り物でのタップ忘れ、潮干狩り感覚の貝採りは、どれも数百ドルの反則金につながります。一方で、親指を立てるサインやチップのように、実際には気にしなくてよいものもあります。

これから渡航する方は、まず留学先の州の「飲酒・喫煙・ポイ捨て」のルールを押さえておくのがおすすめです。クイーンズランド州(ブリスベン・ゴールドコースト・ケアンズ)は屋外での飲酒や喫煙に特に厳しく、シドニーやメルボルンとは扱いが違います。仕事を探す方は、ビザの就労条件と、TFN・無給トライアルの注意点も忘れずに確認しましょう。

ルールを知っていれば、どれも難しいことではありません。「どの都市が自分に合うか」「現地の生活で気をつけることは何か」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。


アイエス留学のサポート

州ごとに違う法律や生活のルールは、ネットの情報だけでは判断しにくいものです。アイエス留学では、留学先の都市選びの段階から、現地の生活で気をつけたいポイントまで、日本語でご説明しています。

アイエス留学は、30年以上・30,000人以上の留学生をサポートしてきました。2025年7月からは、オーストラリア政府登録の日本人移民代理人(MARN)による日本語でのビザ相談も始めています。これまで培った経験と専門知識を活かし、失敗しない学校・コース選びから、戦略的なビザ申請まで一人ひとりに合わせたサポートをご提供します。

  • プロによる専門サポート: 学生ビザの就労時間やワーホリの6か月ルールなど、ビザ条件をMARNが日本語でご説明します。
  • 確かなプランニング: 飲酒・喫煙などのルールや生活費の違いも踏まえて、州・都市選びからご提案します。
  • オーダーメイドのアドバイス: 仕事探しやシェアハウス探しなど、現地での生活の不安にも一人ひとりに合わせてお答えします。

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